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天使もうっとりと、『バベットの晩餐会』

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天使もうっとりと、『バベットの晩餐会』


Gyao!で観た映画の感想です。

今日は、デンマークのドラマ映画『バベットの晩餐会』です。
落ち着いた色合いの映画で、雰囲気が気になり観てみました。



イメージとしては偏狭の地で生きる人々の心の触れ合い・・・と言う感じだったのですが、意外にコメディ要素もある映画でした。

舞台はユトランドの片田舎の村
そこには村人から篤い信頼を受ける牧師とその娘マーチーネとフィリパの二人姉妹が慎ましく暮らしていました。
特徴的なのは、村が常にどんよりとした曇り空の下にある事。
終始村の雰囲気は薄暗いのですが、それがまた良い雰囲気を醸し出していると思います。

さて、この二人は大層美しく村の若者達からもマドンナとして慕われており、それは村の外から来たバリトン歌手アシール・パパンも同じでした。
彼はフィリパのその美貌と美声に惚れ込み歌のレッスンを施しますが、留める事のできないフィリパへの愛情によってか、フィリパから拒絶されてしまいます。
傷心の彼は村を去り、その後村を訪れる事はありませんでした。

この時のパパンが不憫で不憫で仕方ありませんでしたが、迫られるフィリパも気の毒で気の毒でたまりませんでした。パパンも人柄のとても良い方、もっと別の関係を築けたらと思ってしまいます。


さて、こうして誰とも結婚せず一人身で生きてきた姉妹、やがて牧師である父は亡くなり、二人だけの生活を送りながら老いを重ねていきます。
そんな中、ある嵐の日に見知らぬ女性の来客が。彼女はあのパパンの手紙を手に、姉妹に助けを求めにやってきたのです。
そこから始まる3人暮らし、ここからが物語の本番です。
彼女の名はバベット、フランス出身。姉妹の元にやってきた理由は映画を観ていただくとして、この時から彼女達は14年共に暮らします
そうして続いてきた3人暮らしの日々を送る中、バベットは毎年買い続けていたフランスの宝くじで一万フランを当てます。

その時に姉妹が放つ言葉。

『主は与えられ』
『取り上げられた』

と言う言葉がとても印象的でした。
二人にとってバベットは家族同然であり、失い難い存在となっていたのです。


そんな二人の気持ちを知ってか知らずでか、バベットは姉妹の父の生誕100周年で晩餐会で料理を作らせて欲しいと申し出ます。
そしていざ運び込まれるフランスから取り寄せられた食材たち、生きた海ガメにウズラの雛鳥、その他村人達にとっては得体の知れないようなものばかり。
信心深く質素な暮らしを送る村人達はまるで魔女の饗宴かと恐れを感じ、そして取った行動は・・・とここからが若干コメディ調の物語になっていきます。
何せ料理をするバベットも恐れる村人達もどちらも本気。しかし相手を思いやる気持ちがあるからこそ絶妙なやり取りが生まれる。
思わずくすりと笑ってしまうところがちらほらとあります。

そして本気のバベットの料理、やけに手馴れていて、「14年間は村で質素な料理を作り続けていたはず、村に来る前は家庭料理を家族に振舞っていたのだろうか、久しぶりに腕が鳴る、と言う感じだろうか」と思って観ていましたが、後々その真意が判明します。
しかし料理はどれを取っても美味しそう、特にあの『ウズラのパイ詰め石棺風』、ローレンスがカリカリと骨の部分を食べているのを見て思わずゴクリと唾を飲み込んでしまいました。
そしてそのローレンスが語るこのウズラ料理への思い出に対する村人達の軽い返事『そうでしょうとも』、ここでもまたくすりと笑ってしまいました。
『それだけ!?』と言いたげな腑に落ちないローレンスの表情が何ともまた、気の毒でしたが(笑)

そして進む晩餐会、最初は心の内では料理を拒否していた村人達ですが、次第にその料理よって心が解きほぐされ、喧嘩ばかりしていた彼らもまた打ち解けあうようになります。
これこそがバベットの晩餐会、彼女の料理が人々の心を解きほぐし、幸せにする。14年前のように。


最後の姉妹とバベットのやり取りが、また私の心に染み入りました。
『貧しい芸術家はいません。』
『天国で至高の芸術家になる。それが神の定め』
『天使もうっとりするわ』


家族を失い、天才料理長として勤めていた店にも、そしてもちろんフランスに戻る事はできない。
人々にたくさんの料理によって幸せを与えてきた彼女の選んだ道は、この、何も無い村にとどまる事。
何も無いとは決して悪い意味では無いけれど、昔のような栄光もそして何より昔のような料理をする事はできない。
晩餐を終えた後のバベットが少し違って見えたのは、姉妹の『家政婦』から一人の『料理人』へと一時的にでも戻れたからかと思います。

決してどちらが良いか悪いか ではなく、失った人生を思い出し、それを二人の姉妹が知った後のこの台詞。
とても胸に染み入り、私が泣き出してしまいそうになりました。

この後も3人はきっと穏やかな日々を過ごしていったはず。
どうか穏やかな幸せが続くよう、と想います。


しかしまだ解釈ができてない部分や見逃した部分もあるので、また見直したいなぁと思います。






DVDと、書籍も出ているようで。
今度図書館で探して読んでみようかな。
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